神戸の路地から
神戸の路地から、政治についてぼやいたり叫んだりするブログ
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日だまりの老犬           (加島一正)

Author:日だまりの老犬           (加島一正)
神戸の下町でちっちゃな塾を営んでいる、団塊じいさん。
どんな子でも自立して社会に出れば、そこそこ幸せな生活ができるような世の中にしたくて、がさごそと動く今日この頃。
心がける合い言葉は、「あきらめず、しなやかにしたたかに。」



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日本の「戦争被害」は、「加害」の結果としての「被害」
今年も敗戦記念日がやって来ました。
ポツダム宣言を受諾した8月14日前後には、マスコミで終戦特集が組まれています。
70年前に日本が受けた悲惨な被害を、まだ知らない若者やこども達に伝えるため、
忙しくて忘れてしまった高齢者に思い出してもらうため、
日本全国で受けたさまざまな被害を全てのマスコミが報道しています。
安倍晋三が日本を戦争のできる国にしようとしている今、
日本国内の被害体験を報道することはとても大事なことです。

ただ、1つ私には気になることがあります。
今年の春、神戸空襲を学ぶ集会に参加したときのことです。
当日には神戸で被災経験を持つ、内橋克人さんの講演がありました。
私が最も信頼する地元出身の経済評論家です。
内橋さんは講演の中で、空襲被害を学ぶ集会なので少し控えめにこう言われました。
「被害を学ぶことはとても大事ですが、日本が加害国であることを忘れないように。」

この大切な指摘はかつて、本多勝一さんの著書から受けました。
また、故小田実さんからは、小集会で何度か直接お聞きしました。
小学校の教科書に「ちいちゃんのかげおくり」という素晴らしい作品が載っています。
幼い少女が空襲に遭って逃げ惑う中で、家族と離れ離れになってしまい、
ひとり寂しく家族の待っている天に召されてしまうという話です。
小田さんは、日本が受けた被害を描く佳作はたくさんあるのに、
日本が他国に与えた加害を描いた作品がないと、言われました。

先日も、不朽の名作である「火垂るの墓」が今年も放映されました。
この作品は戦争の悲惨さを描いた最高傑作です。
毎年放送し、私たちが何度も見るべき素晴らしい作品です。

ただ私が思うには、
こういう日本人必見の被害を描いた作品と同時に、同じ量とは言わないまでも、
日本の加害を描いた作品も放送するべきではないかでしょうか。
画面が汚いし残酷だし感動は無いし、美しい涙も流せません。
しかし、そういうことをかつての日本はやってきたのです。
それも、そんなに前ではありません。こども達から言えば、ひいじいさんの代です。
残念ながら、どこの一族にもこの加害に加わった軍人が、1人か2人はいます。
だったらその事実は、嫌でも知らせるべきです。

先の大戦で、310万人以上の日本人が犠牲になりました。
そしてアジアでは、1000万人以上の中国人、400万人のインドネシア人、
200万人のベトナム人、150万人のインド人、110万人のフィリピン人、
15万人のビルマ(ミャンマー)人、10万人のマレーシア・シンガポール人、
アジア人の合計1900万人が犠牲になっています。
〈「キーワード日本の戦争犯罪」1995.6.20発行 雄山閣〉から引用

勿論この犠牲者の全てが日本の加害だというわけではありません。
当事国の独立運動と重なったり、複雑な事情が絡んでいます。
それでも、日本が戦争を始めたことでアジアでたくさんの犠牲者を出したということは、
紛れもない事実です。
その事実を若い人に知らせないで、年寄りに思い起こさせないで、
戦争反対の理由を自分たちの被害だけにするのは、オカシイと思います。

日本が「殺した」から「殺された」のであって、
何もしないおとなしい日本に、突然他国が侵略して来たのではありません。
なので私たちは、殺されたくないから「戦争反対」というだけでなく、
まず殺したくない、そして殺されたくないから「戦争反対」と言わなければなりません。

「アンブロークン」をテレビで放映するなり、日本の旧傑作「ゆきゆきて神軍」を放映するなり、
アジアで描いた日本軍を告発する映画を放映するなり、いろいろ方法はありますが、
今のマスコミに戦争加害の映画を放送しろと言っても、無い物ねだりです。
なので、せめて私たちが何かの方法で知る努力をして、
日本の悲惨な「被害」は、日本が他国に与えた過酷な「加害」の結果だと、
私たちの心に刻む必要があると思います。




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